[背景]
ご依頼者様は専業主婦で、複数のお子様を一人で育てておられました。
離婚の話し合いとあわせて、別居を開始し、別居後すぐに婚姻費用を請求していた事案です。
調停手続きの中では、無職で生活保護受給中の当事者の基礎収入について争いになりました。
[相談内容と弁護士対応]
ご依頼者様は結婚当初から専業主婦で、複数のお子様の子育てを一人でされていました。
日々、相手からの心ない言動によって体調を崩してしまい、別居開始後にも働ける健康状態ではなく、生活保護を受給して生活しておられました。
別居開始後すぐに、婚姻費用の調停を申し立て、話し合いを進めましたが、婚姻費用を算定するにあたり、相手から、「フルタイムで働いた場合の賃金を基に婚姻費用を算定すべきである」という主張が出されました。
生活保護を受給している状態で、とても仕事ができる状況ではなかったため、その旨主張しましたが、調停では話し合いがまとまらず、審判事件へと移行しました。
審判事件では、裁判所へ毎日のタイムスケジュールや、学校に行きたがらないお子様に必要なサポートの内容、その他日々の生活の具体的な過ごし方について、証拠とあわせて主張を繰り返しました。
[結果]
審判事件の決定では、ご依頼者様の基礎収入を0とする裁判所の判断が示されました。
ただ、生活保護を受給していれば自動的に「基礎収入は0」とされるわけではありませんので、注意が必要です。
婚姻費用は裁判所が公開している算定表に従って、ある程度決まっておりますが、会社員のように、収入が明確に判断できる方ばかりではありません。
調停での話し合いでまとまらないことも多くあります。
その場合は、審判事件へと移行し、裁判所が決定を下します。
算定表 は一般に公開されておりますので、ご自身でも調べていただけます。
婚姻費用を払ってくれない、相手の収入が全くわからない、等お悩みのかたは、是非一度、お気軽にご相談ください。
一人で悩まず、早めのご相談をお勧め致します。