別居する前にやっておくべきこととは?

別居を開始する場合

離婚の意志を固め、別居を決意した時にも、注意していただきたいことがございます。

何も準備せず、突然、別居を開始してしまうと、別居開始以降は、自宅内にある証拠を収集することが難しくなってしまいます。

その後の離婚協議や調停手続きの中で、相手に財産を開示するよう促すことはできますが、財産の存在自体を立証できなければ、特定することが難しくなってしまいます。

そのため、別居開始日を決めたら、それまでに、少なくとも、以下に記載する証拠を収集しておく必要があります。

 

別居開始後は、無断で自宅に入ることが難しくなる

別居開始以降は、自分の物や子供の物をとりにいくためであっても、相手に無断で自宅に入ることは避けた方がよいでしょう。

「勝手に立ち入って、物を盗られた。」などと言われてしまう可能性があります。

そのため、別居開始にあたっては、なるべく忘れ物のないよう、十分に注意する必要があります。

どうしても、自宅に立ち入る必要がある場合には、

立ち入る日時

立ち入る目的

持ち出し予定の物を具体的にリストにしたもの

を事前に連絡し、自宅で相手と顔を合わせないように調整しておくことをおすすめします。

双方代理人がついている場合は、代理人間でやりとりをすることになります。

 

別居後に自宅に立ち入る場合の注意点

立ち入るときには、一人ではなく、付き添いの方と一緒に自宅に立ち入りましょう。

自宅内の物を持ち出す様子をスマートフォン等で録画しておくと、トラブルの予防になりますので、おすすめです。

また、別居開始後に以下の証拠を収集することはトラブル防止の観点から絶対に控えましょう。

写真の撮影日時や取引履歴等から、別居開始以降に取得したものであることが配偶者に知られる可能性があります。

そうすると、以降の自宅への立ち入りが難しくなるだけでなく、相手が必要な資料の提出に応じなくなってしまう可能性もあります。

 

必要な証拠とは

離婚事件において、証拠としてとっておくべきものとしては、

配偶者名義の銀行通帳

証券会社等から送付される資料

保険証券等の資産に関係する情報

収入に関する資料

等の、財産や収入に関するものが考えられます。

現物を持ち出してしまうと、トラブルになる可能性が大きいため、写真等で保存することが有効です。

通帳は、銀行名、支店名、口座番号がわかるページ

記帳してある最新の残高がわかるページ

を保存しておくとよいでしょう。

 

お子様に関するもの

お子さんの養育状況を示す母子手帳育児日記は、同居中の監護状況を立証する有力な証拠になり得ます。

幼稚園や保育園の連絡帳なども証拠になり得るものと言えるでしょう。

親権について争いになった場合に、重要な証拠となるものですので、証拠としてとっておくのが良いでしょう。

 

婚姻費用や養育費は夫婦それぞれの収入で決まる

離婚の話し合いや調停手続きのなかでは、婚姻費用や、お子様がいる場合には養育費についての話し合いなしには進まない事がほとんどです。

配偶者の収入がわからなければ、婚姻費用や養育費の算定ができません。

相手が収入の資料を提出してこない場合は、話が進まず余計な時間がかかってしまうケースも沢山あります。

裁判手続きの中では、裁判所を通して資料を取得する手続きを利用できる場合もありますが、それでも余分な時間や費用がかかることは避けられません。

そのため、別居開始前に、配偶者の収入に関する資料が確認できる場合には保管しておく方がよいでしょう。

 

給与明細等の収入に関する資料には様々な情報が載っているため、ご自身では内容についてよくわからなくても、とりあえず保存しておき、専門家へ確認してもらいましょう。

 

また、婚姻費用と養育費の算定表は裁判所のホームページでも公開されているので、具体的な金額を知りたい方は、一度ご確認ください。

婚姻費用・養育費算定表(裁判所HP)

こちらの記事もあわせてご確認ください。

婚姻費用・養育費の算定について

 

別居後のよくあるトラブルについて

別居後に、トラブルになってしまうケースに、夫婦で購入した家具や家電を勝手に持ち出すことがあげられます。

夫婦で購入したものはあくまで夫婦の財産となり、財産分与の話し合いの中で解決する必要があります。

新たなトラブルの原因になりかねませんので、勝手に持ち出すことは避けた方がよいでしょう。

どうしても、必要なものがある場合には、相手と事前に協議する必要があります。

 

別居後の婚姻費用について

別居開始後は、婚姻費用を請求することができますが、請求する場合は、請求の意思を明らかにしておく必要があります。

別居開始時に、

婚姻費用を請求すること

支払先

支払い日等

を記載した書面を作成し、書面を残してきたことが分かるように記録しておくとよいでしょう。

 

婚姻費用についての話し合いの際には、

いつ請求したか

が重要になりますので、別居開始時からの婚姻費用を請求するためにも、書面で請求する必要があります。

 

当事務所では調停手続き等を受任する場合は、別居開始前からのご相談に加え、別居開始直後からの婚姻費用についても請求漏れがないよう、サポートいたします。

婚姻費用をいくら請求できるかわからない

婚姻費用を請求されているが、高すぎて困っている

離婚後の生活費について不安がある

等のお悩みがございましたら、一度ご相談にお越しください。

ご相談の問い合わせはメールでも受け付けております。

 

婚姻費用の額と支払い開始の時期について

 

別居後の生活費については大きな不安の一つです。

特に専業主婦で、お子様が何人もいらっしゃる場合には、毎月必要な生活費も多額になり、別居後の生活は益々心配になるところです。

婚姻費用がすぐに支払ってもらえるのか、継続して支払ってもらえるのか、一番気になることかもしれません。

 

残念ながら、婚姻費用を請求しても、別居開始時点で婚姻費用についての取り決めが出来ていない場合には、別居開始後の話し合いや、

調停の中で、婚姻費用についての取り決めが出来るまでは、相手から一切婚姻費用が支払われない場合があります。

また、審判等で、婚姻費用の支払いについて裁判所が決定をした後でも、回収までに時間がかかってしまうケースもございます。

 

そのため、別居開始後の生活費を婚姻費用のみで賄う計画は極めてリスクが高いものとなります。

 

可能であれば、別居開始時には、少なくとも数か月分の生活費を確保したうえで、別居を開始するのが望ましいといえますが、

無理して同居を継続することにより、精神的な病気になってしまう方もいらっしゃいますので、どうすることが望ましいのかは

その方の状況によって異なります。

ご相談の際には、健康状態も含めて安心してお話ください。

 

弁護士へ依頼するメリット

早い段階から専門家が介入することで、婚姻費用や養育費の回収までを見通したアドバイスが可能になります。

その方の状況にあわせて、必要な手続きのみをご提案させて戴きます。

 

また、専門家が介入することで、早々に相手方と合意ができれば、婚姻費用についての取り決めをする前でも、

一部の婚姻費用については先行して支払ってもらえるケースもございます。

最終的には、既払い分として清算することになりますが、代理人を通すことで、金銭のやり取り等を含め、正確に記録されるため

新たなトラブルの発生を防ぐこともできます。

 

離婚や別居をお考えの方は、別居前の早めの段階で、一度当事務所へご相談ください。

他にも個別の事案によって、やっておくべきこと、やらない方がいいこと、は変わってきます。

様々な角度から、ご相談者様の状況にあった最適な選択ができるよう、アドバイスさせて戴きます。

お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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