遺産分割協議書とは |筧法律事務所|明石・篠山で40年以上の弁護士実績

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、被相続人の死亡後、相続が開始した後に相続人間で遺産の帰属について話し合い(☆この話し合いを一般的に遺産分割協議と言います。)、合意した結果を記載した書面のことです。

法律上規定されているものではなく、必ず作成しなければならないものではありませんが、後のトラブルを予防するため、相続人間で合意が成立した場合には、書面を作成しておくことをお勧めします。

 

記載するべき内容について

記載内容や記載方法についても、基本的には、厳格な決まりがあるわけではありませんが、遺産の内容と、どの遺産をどの相続人に帰属させるのかについては、最低限記載しておく必要があります。

遺産の内容は、遺産が複数ある場合は、わかりやすく、遺産目録を作成しきましょう。

遺産の中に複数の不動産や預金がある場合には、一つ一つ特定して記載しておく必要があります。

具体的には、「○○銀行○○支店普通預金○○○○については相続人Aが取得する。」等と記載しましょう。

作成年月日各相続人の署名押印も必ず必要です。

 

受取人指定のある生命保険契約について

相続人を受取人とする生命保険契約は、原則として、遺産には含まれません。

例外的に、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が、民法903条の趣旨に照らし到底是認できないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情がある場合には、同条の類推適用により、死亡保険金請求権を特別受益に準じて持ち戻しの対象となるという判例があります(最決平16・10・29)。

相続財産の総額と比べて保険金が高額である場合や、死亡直前に受取保険金が支払保険料とほぼ同額になるような高額な保険に加入している場合は、同判例に基づく処理をすることになると考えられます。

 

協議書作成後の手続き

預貯金・株式等

金融機関で手続きする際には、遺産分割協議書だけでなく、各金融機関独自の書面に各相続人の署名押印が必要となることもあります。

可能であれば、遺産分割協議前に各金融機関に確認し、必要な書面を取り寄せておき、必要資料(印鑑証明書等)についても確認したうえで、遺産分割協議時に全ての書面の作成と資料の収集の完了を目指すべきです。

 

不動産

不動産の相続登記申請には遺産分割協議書を添付する必要があるため、遺産分割協議書に全員が実印を押捺することが不可欠です。

 

遺言書がある場合

被相続人の遺言書がある場合でも、被相続人の死後、原則として、相続人全員の合意があれば、遺言内容と異なる遺産分割をすることが可能です。

この場合には、後にトラブルが発生する可能性が通常よりも高いと考えられることから、遺産分割協議書を作成しておく必要性が高いと言えます。

 

その他注意事項

遺産分割協議書作成後は、基本的には協議のやり直しを求めることは困難です。

そのため、協議書作成の前に、遺産の抜け落ちがないか念入りに確認しておくことが重要です。

事後のトラブルを防止するため、遺産分割協議後に見つかった財産は一人の相続人が取得することで予め合意しておくことも可能です。

その場合には、「目録に記載なき遺産及び後日判明した遺産は、相続人Aがこれを全て取得する。」等、遺産分割協議書に入れておくのが良いと思われます。

なお、共同相続人全員の合意があれば、遺産分割協議をやり直して再分割することは可能です。

 

話合いで合意できない場合

相続人間で遺産分割協議が整わない場合には、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てることができます。

調停で合意ができない場合には、自動的に審判手続に移行することとなりますので、相続人間で話し合いができない、全く意見が合わない場合には、早期に調停申し立てをすることをお勧めします。

 

当事務所では、遺産についての案件も数多く取り扱っております。

・当事者間での話し合いがうまくいかない

・話し合いを始める前に専門家の意見を聞きたい

・早期に調停申立をしたい

等、少しでも心配な場合は、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にご相談ください

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